自分でビジネスをする。

言葉的には超カッチョいい感じもしますが、貧乏人が0から始める場合、時には泥水を飲み残飯を漁るような苦しい体験をすることがあると思います。そして、殆どの人は諦め、誰か資本を持つ者に雇われる道を選びます。結局、自分のビジネスで生きてゆくのは大変なんです。世に出ているビジネス書の中には、もともとある程度の資金がある状態でのものも多くあると思うので、本当に0から始める場合はそういったものはあまり参考にしない方がいいです。何も無い所から全てを始める場合、ビジネスの展開スピードは遅く、ある程度の期間はコツコツと実績を地道の積み上げていくことになると思います。人の心は案外移ろいやすいものなので、道半ばにして本来の目標を見失いがちです。やり続けなければならないので、少なくとも楽しみながら続けられることを選ばないと行けません。

自分は映画の道を選びました。もちろん、最初は助監督からこの道に入り、Vシネマなどの低バジェットの作品などはメーカーから直受けで制作していきました。気が付けば、ある程度のお金ができたので、自分の資本で作品を作った方が後々は儲かるのではないかと考え、まずは自分が得意な旅と映像をくっつけ世界の奇祭などを巡る作品を作りました。その時、私が行った仕事を箇条書きにすると以下のとおりです。

①企画書の作成
②ロケ地のリサーチ
③予算案の作成
④撮影台本の作成
⑤香盤表の作成
⑥撮影機材準備
⑦撮影準備
⑧チケット他旅行手配
⑨撮影
⑩編集
⑪PR用テキストの作成と広報活動
⑫劇場公開用チラシ&DVDのジャケット他DTP
⑬上映
⑭DVD販売

これらは最低限の座業です。1人でやるにしろ、ある程度の人数で行うにしろ、それなりの時間と労力を必要とします。時は金なりとは上手く言ったもので、実際に時間がかかる作業は自ずとお金がかかります。前述の作業を3人で行っても2ヶ月程の月日を費やす必要があり、自分で資金をだして製作する場合、完成するまで一銭と入ってきません。そして、怖いのは完成しても投資した資金をを回収できる保証はどこにもないということです。これは、映画に限らずモノを仕入れて販売する場合も同じです。なので、本当にやらなければならない場合を除いては在庫を抱えたり、先行投資が必要なビジネスは資金がないうちはやらない方がいいです。

話がそれてしまいましたが、ようはこの1つの作品を制作してきる間、他の収入源を確保しないと継続してゆくことが不可能になるので、しっかりと自分のビジネスのベースを作ることが大切です。例えば繁忙期は死ぬほど忙しいイベント会社も、12月から2月にかけてはイベントの仕事はそれ程ありません。そんな時に年間通して行われる地鎮祭というベースになる仕事があれば会社は上手く回っていきます。また、東映のように、そもそもの本業であった映画製作は、本格的な作品は年に1本、それ意外はTVの仮面ライダーや戦隊モノ、相棒などのシリーズ番組をベースとして運営し、それ関連のTVドラマの延長戦上にある限りなくTVの近い映画を年の何本か製作しています。

大手の企業ですら、このようにベースをしっかりと持った上で経営されているので、個人でビジネスを行う場合も、しっかりとしたベースを構築する必要があります。映像なら、結婚式の撮影やイメージビデオの制作などもいいでしょう。何事からも学ぶべきことはあります。俺は映画を撮りたいんだ、結婚式なんて撮影してられっかなどとカッコつけなきで、毎月コンスタントに稼げるすべを身につけましょう。しかし、ここで生きる糧を得るための仕事が、いつしか人生の全てようになってしまい、結局自分のやるべき事を見失ってゆく人達が殆どです。かれらは途中でソレで良くなってしまったのだから、それでいいのですが、やはり自分でやると決めた事は最期までやり抜く決意と策が大切だと思います。